山岳登攀ノ図 その二十一
1986.8.21 甲斐駒ケ岳赤石沢Aフランケ赤蜘蛛ルート
 メンバー 今瀬,石際

初めてのAフランケ。

岐阜登高会に入って2年目の今瀬とはなぜか波長が合い,よくアイスクライミングや岩登りにいった。奇美世ノ滝とか御在所の谷などの記録も「岩と雪」に載せたりして,自分達でもやればなにか面白いことができると思い,一番クライミングが楽しかった時期でもあった。

クライミングジャーナルに載った春日井の北村さんたちのガイドを見ながら,「日本ばなれした壁」に夢が膨らむばかりであったわしらは,半年間2人でトレーニングし,鬼岩公園の「鬼岩劇場」や御在所バットレスのカリフォルニアドリーミングなどでしごかれ,錫杖の北沢フェースをわざとビバークを入れながら登ったりした。

そして行ってみて感激した。
狙っていた継続はわしが初日に風邪で熱を出し,計画が遅れたので実現しなかったが,赤蜘蛛終了後Bバンドを下降し本谷を詰めた。本谷には多くの小滝と二つの大きなチムニー滝があり,微妙な人工もあり結構厳しかった。

次の日は奥壁左ルンゼを2ピッチ登ったところで雨が降り出し,諦めて下降。第一バンドを歩き,摩利支天のコルを経由し下山した。
一つの夏が終わった感じがした。

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