バガの壁(準備編)
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―バガブーに向け,準備したりトレーニングしたことを憶えに記録していきます。―

実際に行ってみた

今年になってトレーニングで登った主なルート(最後の1ヶ月で痛風になってしまい,あまり意味がなかったかも・・・)
(屏風山)
アダム11b 1ロワーダウン, イブ11c RP, アームロック効きますか10a RP, 思いやり10b RP, カインとアベル10cd RP, ゾンビーフレーク10c RP,原住民10c RP,ひばりチムニー7 ソロ
(鬼岩公園)
ダストシュート9 RP,鬼岩劇場3ピッチ目10d TR,真実の口10 TR開拓
(伊木山)
コハング左11b RP,同右11a RP,フェース直上11a RP
(天下峰)
大師匠のルート10c RP,ロンリコ151 10c OS,松ノ木10a OS
(御在所)
モンキーバック10d RP,アウトオブサイト9 RP,展望クラック10a OS,ツルムクラック10a OS
(不動沢)
牛乳びんクラック10c OS,胎内くぐり10a OS,晩秋荒野10a OS,真夏の太陽10a OS,蜃気楼1ピッチ目10c OS,電光クラック9 RP

(今月の言葉)
おれは,さきざきのことをみんな見通しているわけじゃねえが,しかし,どんなことが待っていようと,笑ってそれに立ち向かってやる。― 「白鯨」スタブ ―

最後に気になるのは天気でしょう。
Radium Hot Springsの天気
Banffの天気

(6月28日)
今年の梅雨は例年よりメリハリが利いているようで,土日に登れることも多かった。予定では,今ごろは体力,気力,技術ともにマックスの状態にして,最後の調整に入るつもりであった。
ところが,6月上旬から,痛風か古傷のためか右足首が痛み出し,一時は歩行も困難なほどであった。
現在はなんとかアプローチをこなせるぐらいには回復しているが,無理をすると何時再発するかも知れず,トレーニングも慎重に様子を見ながら行い,本番の行動もリスクを考慮に入れたものにせざるを得ない。
最悪,私が行動できなくなっても,他の3人で登れるし,私としてはバガブーの景色を見るだけでも満足できると思う。
仕事の面,家庭生活の面でも日々考えなければならない事柄が山ほどあり,本当にカナダなんか行っとっていいの?と自分でも思うこともあるが,ここまで来たら後は運を天に任せて,行くだけ行ってみます。帰ってからのこともその時考えます。

バガブー周辺の地図(5万図)
National Topographic Series Maps
82K/10 (Howser Creek) $11.95
82K/15 (Bugaboo Creek) $11.95
ITMB Publishing Ltd.からオンラインで購入できます。
送料$10.84

英語のサイトですがオフウィズスのテクニックなどが載っているページがあったので,載せときます。
Mikey's Offwidth Journal
Off-width tricks
Climb Those Nasty Cracks

(5/8)
今日は御在所へ日帰りで。
連休の疲れが抜けきれていないような感じでしたが,2組に分かれ,それぞれ課題を持って練習しました。
小林・坂口
ザックを背負って中尾根P1まで,一壁4ルートNP,うさぎの耳 ウェイクアップ5.10-,コールなしによる確保システムの練習
石際,佐原
あまり登ったことがないルートのリード,アウトオブサイト5.9,モンキーバック5.10d,展望クラック5.10a,狭き門(苔と草付のため敗退),中尾根P3まで,一壁3ルートNP,うさぎの耳ウェイクアップ,カットインコーナー5.9

(5/5)
連休前半3日間で,みずがき山不動沢へトレーニング合宿に入りました。
不動沢はほとんど貸切状態で,時間(体力?)の許す限り登りまくりました。
5.9から10のクラックを中心に,なるべく本数を稼ぐよう頑張りましたが,ワイド系や長いルートも多く,1日10ピッチにはだいぶ届きませんでした。

1日目
高速の事故で前夜の到着が遅くなったので,寝不足気味。行動もお昼少し前から。近場の前絵星岩で調子を見ることにする。

石際・佐原
ハイド氏5.9,真夏の太陽5.10a,ジキル博士5.9,晩秋荒野5.10a
小林・坂口
ジキル博士,真夏の太陽,ハイド氏,ダイレクト5.10a

真夏の太陽は,面白かった。

夜は,林道終点の広場でキャンプ。
この岩場の開拓者の一人である,中嶋さんが偶然隣のテントとなり,色々お話をうかがう。中嶋さんは,20年ほど前に2回バガブーに行っている。

2日目
今日はもう少し奥に足を伸ばす。
(摩天岩下部岩壁)
石際・佐原
レインボー・クラック5.8,電光クラック5.9,蜃気楼ルート1,2ピッチ5.10c,10a,3ピッチ目10d登れず下降
小林・坂口
森林浴ルート5.8,蜃気楼ルート5.10d,電光クラック

蜃気楼ルートは非常に美しく内容のあるルートであった。3ピッチ目は核心部が濡れていることが多く,3ピッチ完璧なスタイルで登ったパーティーは少ないらしいが,小林・坂口組はOSで完登。
東海の大平・井土組が陽炎クラックを登るのを見る。

3日目
天気が怪しかったが,不動岩へ。
小林・坂口はヘル・スラブ5.11bから取付く。石際・佐原組は石際がスラブを嫌い,天国への階段ルートから正面壁へ入る。
このアプローチを参考までに詳述する。
ヘル・スラブ左のルンゼ状を登り,フィックスロープから少し登った右壁に立てかけたように斜めに立っている大木が取り付き。傾斜のないフェースを右上する。4級ほどであるが,プロテクションがあまり取れない。1ピッチ目の終了点からダイクをさらに右へトラバースし,取り付きから25mほどでテラスに着く。

牛乳びんクラック5.10cは,今回で3回目の佐原がリードを譲ってくれ,石際OS。胎内くぐり5.10aは非常に面白かった。不動岩の頭から左の沢を懸垂1回を交え下降。
小林・坂口は取付きに戻っていないので,石際・佐原は屏風岩に戻り,エンペラー・クラック5.9に石際リードで取り付く。OWの内足が決まってしまい,動けなくなりテンション。ここも抜けが面白い。佐原は狭き門が抜けられず,トレーナーまで脱ぐことになる。

車に戻るが,6時を過ぎても小林・坂口が戻ってこないので,心配になり,ランプと雨具を持って不動岩へ戻ってみることにする。幸い屏風岩手前で小林・坂口が降りて来てホッとする。
彼らは,ヘル・スラブから牛乳びんを経て上部岩稜ルートまでツルベで完登し,満足した顔で降りて来た。

キャンプ生活も楽しかったし,3日間それなりに活動でき,バガブーのシュミレーションとしても意味があった。まだ具体的なルートは決めていないが,雰囲気ではアルパイン的要素が強いルートより,テクニカルな目標を立てられるルート(5.10台のマルチピッチ)に興味が出てきた。

(4/26)
4月に入って参加メンバーがほぼ確定。石際,佐原,小林,坂口の4名となった。
小林の力は安定していると思われるが,他の3名はまだまだ力が足りない。もう2ヶ月半しか残り時間がないが,自分なりに具体的な目標のプランを立て,納得のいくような準備をしよう。

4月24日名張,25日御在所で小林を除く3名でトレーニングを行った。
名張は,初めて行くMCの岩場。貸切状態で,交代で易しいルートから順番にリードしていった。5.9クラスは問題なかったが,最後の吐息クラック10aで皆悩んでしまった。石際も1テンで抜けるのが精一杯であった。TRでシンハンドとステミングの確認をする。ここの岩質とクラックのサイズに不慣れであり,通う必要を感じた。

夜,御在所に移動。北谷小屋に入っている春日井のメンバーと合流する。25日は中尾根と時間があればバットレスを登る予定であったが,中尾根の先行パーティーが非常にもたつき,結局中尾根1本で終了。
この日の成果としては,初めて登ったツルムクラック10aと中尾根P2ダイレクトルート,P1のチムニーがあった。ツルムクラックは登攀者が少ないのか少々ザレているが,上部の高度感が素晴らしい。カムもキャメ3.5までの最小限で余裕を持ってリードできた。

ツルムクラック上部

P2ダイレクトルートは,ノーマルルート取付が非常に危険な状態になっている今,メインルートとなるべきラインである。佐原がフリーで登り5.11ぐらいだとの感想。最初のハングはフリーが無理なら1ポイントA1すれば,後は快適なフェースが楽しめる。

P1は長く変化に富んだ楽しいチムニーであるが,要所要所にしっかりボルトがあり,緊張感を失わせているのが残念だ。

(2/18)
先日カナダ山岳会の会員証とハットの注意事項などのお知らせが送られてきた。以下に載せておきますので,見といてちょうだい。
(見るにはアクロバットリーダーが必要です。)
Hut rules
また,カナダのガイド会社のHPに携行品リストがあったのでリンクしときます。
BUGABOOS ROCK CLIMBING EQUIPMENT

(2月6日)
7月17日から22日まで6泊の予約ができた。予約したメンバーは石際,佐原,小林,坂口,古市,高津。もしキャンセルする場合でも10%のデポジットを取られるのでご了承願います。
カナダ山岳会のHPに書いてあったウィルダネス・パスはケインハットは要らないそうです。

(1月30日)
昨年夏にバガブーへ行かれたルーデンスの池野さんに質問のメールを差し上げたところ,早速ご回答いただきましたので,ご本人の了解を得て,ここに掲載します。

(質問)
★カイン(ケイン?)ハットの予約はどうされましたか。
とりあえずカナダ山岳会の会員の登録はしました。
★現地の地形図はどこで入手されましたか。
★あと,現地に行ってみてあればよかったなと思うような物があれば教えてください。(例えば虫除けみたいなもの)
★空港から登山口までの途中で買出しできるようなところがありますか。

(ご質問にお答えします。)
★ハットの予約は、カナダ山岳会入会と同時にしました。
ちょうどこの時期です。出発前の予約確認も、現地に着いてからの再確認もしましたが、小屋に入ってみると予約があってもなくても関係なし?と思われるほど、ある晩人が増えて、場所を詰めるよう言われました。
★私達は初日、キャンモアで宿泊しましたので、買出しはすべてキャンモアでしました。
キャンモアの登山の店で入手できたのは、Bagaboo Creek  82K/15とHowser Creek 82K/10 ($14.95)です。
地形図ではありませんが、小屋にあったThe Bugaboos というルート図集は重宝しました。
これが出発前に入手できれば、Briscoから公園への入り口で迷うこともなかったのに・・・
★小屋に持っていけばよかったと思うのは、ジフィーズではない食料です!
現地人は皆、山ほど食材を持ち込んでいて、毎晩本格的な料理を作っていました。ほんとうに羨ましかったです。
うちのリーダーに聞いてみたところ、こんな返事でした。
●サンダル(スリッパ)・・・小屋の中は携帯用スリッパでも不便はないですが、男子専用トイレは小屋を出てすぐにありますが、大&女子トイレは階段を下りて少し歩かないといけない所にあります。よって、機内用スリッパを持ってきた私は、その度にリーダーのサンダルを借りていました。
少し底がしっかりしたスリッパかサンダルが便利です。
●双眼鏡・・・小屋からルートの偵察をするのに便利だと思います。私達は持っていませんでした。
●酒?・・・アルコールはご法度なのか?小屋では誰一人として飲酒はしていません。スーパーでもアルコール類は売っていませんでした。初日にレストランで飲んだビールが最初で最後でした。庵の方はどこで入手されたのでしょうね?
★行動食などはキャンモアの大きなスーパーで買いました。
バンフには立ち寄っていないので分かりませんが、バンフから先は、あまりいい町がないように思います。
Goldenとラジウム温泉の間の95号線沿いは、何もない絶望的なくらいのイナカです。

(1月24日)
ケインハットの予約をするためにカナダ山岳会に入会した。
年会費25ドル,小屋オプション22ドルその他でしめて59ドル。インターネットで入会できる。
小屋オプションがあると1年前からHUTの予約ができるのだ。

ハウザーの資料

(バガブー関係資料)
バガブーのガイドブック 最新版ですが,今安売りしています。
カナダ山岳会

(1月12日の屏風山)
昨日は二日酔い気味のためおとなしくしていた。今日はケルンの仲間総勢10名でまたまた屏風山に参上した。
今日の目標はアダムとゾンビーフレークとした。
アダムはギアの選択が悪く核心部手前でナッツをどうのこうのしていたら,指がよれてきて敢え無くロワーダウン。少し休んで,登り返し,今度は核心部を越えてもプロテクションを取る余裕があり,少しのランナウトで登りきることが出来た。自分としてはまあ満足できるスタイル。こんどは確実にRPするつもりだ。
ゾンビーフレークのほうは,思ったより力が入ってしまいテンションで抜けるのが精一杯でした。今後の課題とした。思い切りが必要だ。

(1月10日の屏風山)
ワイド系対策とリード根性を付けるため「アームロック効きますか」と「イブ」をリードした。
イブは中間のレストポイントから非常に集中でき,完全にジャミングして抜けることができた。
アーム・・・は昔TRでも抜けれなかったルートであった。同行した古市さんがキャメの5番を持っていたので,これはチャンスとリードしてみた。中間でキャメをきめ,かなりランナウトした所でエネルギー切れになりかけたが,冷静にTスタックをきめレストできたので登りきることができた。
後で大阪の黒田さんとお会いし,今日登ったところを尋ねたら,一人だったのでヒバリチムニーとアーム・・・をフリーソロしたということであった。ワイド系は落ちる気がしないだからだそうだ。すごい人がいるもんです。チムニーの下でパンをかじっているのを見たらそんなにすごい人には見えなかったが・・・

(バガブー宣言)
2004.1.11
今,奥田民生を聞きながらこの文章を打ち始めた。
昨夜は春日井山岳会の新年会に便乗させてもらい,晴ちゃんとこの夏のバガブーのクライミングについて具体的な計画と,それに向けてのトレーニングについて打ち合わせをした。
お互いサラリーマンクライマー。休暇は取れてもせいぜい10日間。目標とするルートは1本に絞ることにした。Howser,South Towerのウエストバットレス。通常1ビバーク,20ピッチ(5.10)のフリールートである。
氷河の登下降を含むちょっと長いアプローチと,頂上へ抜ける美しいラインはアルパインクライミングとして申し分ない目標である。もう半年しか時間がないが,悔いのないようトレーニングしようと思う。