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赤石沢奥壁Aフランケ鬼蜘蛛ルート開拓
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1988年8月5日〜7日
メンバー 小林亘,石際

1日目
赤石沢奥壁Aフランケ同志会左フェースルートフリー化を目標に甲斐駒へ向かう。このプロジェクトに向け体を絞り込んだ小林。石際はサポート役に徹する。同志会左ルート2ピッチ目はフリーで行けた(5.10d〜5.11a)が,3ピッチ目は可能性がなさそうなので,バリエーションラインを試みることにする。

北沢峠7:30 甲斐駒10:20 Aフランケ岩小屋11:50 同発13:00 3ピッチ目までフィックスし下降 岩小屋19:30

ピナクルテラスから左にトラバースする小林 5.10d
3ピッチ目
2日目
取付8:30 ピナクルテラス左集合11:00 A字ハング下テラス17:00

ユマーリングでフィックスを登り,4ピッチ目からルート開拓。そこにはすばらしいダイヒードラルが隠されていた。その基部までトラバース気味にスラブを登る。プロテクションは利きの甘いハーケンのみ。セカンドでも必死である。5ピッチ目はすっきりとしたシンハンドクラックから右フェースを登る。このルートの下部のハイライト。小林はここでリードの交代を申し出てくれたが。石際は自信なく,小林に行ってもらう。5.10後半をフリーでリードしながらハーケン,フレンズでプロテクションを取り開拓していく小林のスタイルはすばらしいものであった。石際もフリーでフォロー。ハーケンもすべて回収する。6ピッチ目5.9のコナークラックを登りA字ハング下テラスでビバーク

荷上げもトラバースでは大変
荷上の図

4ピッチ目。ダイヒードラル基部へ悪いスラブを登る
4ピッチ目

蜘蛛の廊下のシンハンドクラックを登る5.10c
蜘蛛の廊下

蜘蛛の廊下上部5.10d
蜘蛛の廊下上部

蜘蛛の廊下出口。
蜘蛛の廊下出口

A字ハング下の楽しいビバーク
A字ハング下
3日目
小林が今回最終目標としていたA字ハングのフリー化を試みる。しかしハング下のスラブは濡れており,フリーでは無理であった。小林はハング出口まで人口登攀しそこから上のクラックをフリーで登った。あと8ピッチ目は問題なく,9ピッチ目の脆いフェース5.10dをフリー化して今回の登攀は終了。小林はAハング上のスラブにフリーラインの可能性を感じ,秋に再度挑戦することにする。

終了11:00 甲斐駒12:20 北沢峠14:20

1998年10月9日〜10日
前回フリーでつながらなかったA字ハングのピッチの新ラインを試みるべく秋の甲斐駒を再び訪れた。Aフランケ頭にベースを置き,同志会左フェースを懸垂してA字ハング下テラスに着く。今回は石際も気力充実。石際リードでテラス左端から回り込む。すさまじい高度感。ロックスをセットしランぺへ出ようとするもえらく難しい。エイドすればいけそうであったが,今回の趣旨に反するのでテラスに戻りバトンタッチ。

小林も苦労していたがじわじわと這い上がってルーフの上に見えなくなった。ここから長く寒い忍耐の時間が・・・。そのころ屋根の上ではボルト3本の埋設工事の末,スラブに達した小林が途中ハーケン1本のタイオフで5.10cのスラブをランナウトし終了点へ向かっていた。やがてコールがあり石際フォロー。スラブはピンなしのトラバース気味で,落ちたらA字ハングの下にぶら下がりかねない。下手をするとルーフの角でロープ切断の可能性もある。慎重にスラブをこなし小林に合流。このルートは完成した。

フィックスをルンルンとユマーリングしベースへ戻る。

参考必要装備 ナイフブレード3本,ロストアローorアングル3本,フレンズ1セット,ロックス1セット,開拓時は使用していないがスカイフックがあるといいかもしれない
 「鬼蜘蛛ルート」ルート図

空の小径をフォローする石際 5.10c
空の小径

2日目は奥壁左ルンゼ経由で帰る。フィックスロープなどで膨れ上がったザックを背負っているのに快調に登攀でき楽しかった。

Aフランケ頭 左ルンゼ取付7:00 終了12:15 甲斐駒12:30 北沢峠14:30
同4ピッチ目

10年以上も前に開拓したこのルートが1999年の秋,長野の山下勝弘氏により第二登されました。