錫杖岳前衛フェース2・3間リッジ冬期登攀
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1987年12月30日〜31日
 メンバー 小林亘,石際

12月26日,27日に小林,佐藤,石際で錫杖の1ルンゼを登ったが,年末とは思えないような暖かい天気のため落氷と雪解け水に悩まされ,登攀自体も調子悪く不完全燃焼に終わったので,2日間の休養(御用納めと家の正月準備)をはさみ,また錫杖へきた。

1日目
クリヤ岩小屋に着いたころから今度は雨が降り始め,やがて大降りになってしまった。濡れてビバークはいやなので今日は沈殿とし,翌日天気がよければ空身でラッシュという計画に変更する。夕方,峠の仲間の森本,渋谷両氏が到着。両氏のテントに招待いただき,しゃぶしゃぶやワインなど腹いっぱいご馳走になる。

8:00槍見 9:45クリヤ岩小屋

2日目
夜5cmぐらい降雪があり,その後の天気の回復に伴う放射冷却のため絶好のコンディションとなる。十分の睡眠と栄養をとり体調もビンビン。取付きに早く着きすぎ夜明けを待って登攀開始。壁も白く雪化粧し冬壁の気分が出る。順調にロープを伸ばし昼ちょっと過ぎに終了。

3ルンゼ横から取付き左上し,2ルンゼのF1上に出ての緩傾斜帯を登る
振り返るとダイアモンドダストがきれいでした
F1上

2ルンゼを見上げる。2・3間リッジは右のピナクルを右から回り込む。

横断バンド下の2ピッチ目。傾斜強く結構難しい。人工交えて登る。
2ルンゼ上部

穂高をバックにハイポーズ。ご覧のとおり快晴です。
穂高をバックに

横断バンド下の悪い人工。ハーケン利き甘くいやらしい。小林リード。
横断バンド下の登攀

前衛フェース終了後,烏帽子岩東肩までラッセルし,時間があったので本峰まで足を伸ばすことにする。東尾根はロープ使用3ピッチ。特に悪いところもなく快適なリッジクライムで本峰へ飛び出すと,向こうには雲海が広がっていた。
北尾根から2100mコルを経てクリヤ谷へ下った。月が明るく雪を照らしてくれ,12時間以上行動していて疲れてはいたが,気分は上々。クリヤの岩小屋に18時着。B.C.撤収し下山。大晦日の高山で中華そばくって帰った。

岩小屋5:00 3ルンゼ押出し6:00(夜明けを待つ) 登攀開始6:50 終了13:10 東肩14:10 本峰16:00 岩小屋18:00 槍見19:30