山岳登攀ノ図 その二十六
2005.6.12 伊木山の岩場「カンテ裏からフェースへ」
 撮影 加藤 毅

前日の雨で岩が濡れているだろうとの言い訳(実は急に晴れの予報が出て気持ちの切り替えができなかった) で錫杖を中止して,近場の伊木の岩場へ行った。今日は春日井の晴チャンも来てくれて,仲間うちで登るとき と違う雰囲気で登ることができた。

自分たちだけだとつい甘えが出て,トップロープで遊んでおしまいになることも多いのだが,晴チャンはどれ だけオンサイトできるかにトライするし,わしも「カンテ裏からフェースへ」12bをリードしてみることにした。

結果は晴チャンが「カンテ裏からフェースへ」の限定なし11cをオンサイト。わしも同ルートの限定ラインを 問題なくRPできた。暑いこの時期では上出来だと思う。登れてみるとなんか簡単に思えてきてしまう( 悪いスタイルなのでルートの本当の価値がわからないのかも)のであるが, 実はトップロープからリードへの切り替えがなかなかできなかった。

20年前からここで登ってきて,このラインがTRでどのように確立されていったのか,ボルトはだれがどのよう な考えで打ったのかずっと見たり聞いたりしてきた。TRでもこのカンテを登るクライマーを見たときびっくりした。
当時に比べ自分の力がついたとか上手くなったとは思えないので,ここはリードできるのだという気持ちの切り替えが 大きかったのだと思う。

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リードした後はちょっと気が抜けて,まだ時間はあったが早めに帰って,家でのんびりした。奥さんと「いいコーヒー」 (レギュラーコーヒーのこと。我が家ではインスタントコーヒーを「普通のコーヒー」と呼んでいる)をゆっくり飲んでから, 涼しい座敷に転がって,ヘミングウェイの「男だけの世界」をまた読み返してみた。



谷さんのホームページに岩場の紹介があります