――― 熊谷父娘 ――

 

いま,本屋でたまたま見つけた画家熊谷守一の「へたも絵のうち」という自伝的随筆集と,

その娘の熊谷榧(かや)の画文集「晴れのち曇り 曇りのち晴れ」を買ってきて読んでいる。

 

守一のほうは,付知の生まれで,味のある絵を描く人というぐらいしか知らなかったが,

榧のほうは,昔ヨーロッパへ行く前に「アルプスの氷河を滑る」という画文集を図書館で見つけ,

オートルートの参考にしたことがあり,いい感じの人という印象を持っていた。

 

「アルプス…」にはカタカナのフランス語がよく出てくる。

それをメモして覚えたりしたものだ。

「アタシオン ピエール!(落石注意!)」「プティ ホワ?(ちょっと寒い?)」とか,

発音はめちゃくちゃであるが,気分を盛り上げるにはよかった。

 

山の画文集では,学生の頃,上田哲農の本が好きで,古本屋で探しては読んでいた。

要するに絵本が好きなのである 。

2003/08/28

 

ホームページへ戻る