――― 滑落 ――
昨日,山岳会の雪上技術講習で,おんたけロープウェイスキー場から8合目に上がった。
講習を終え,11人のメンバーのうちスキーで上がった5人が滑って降りることになる。
時刻はすでに午後4時をまわっており,日中少し緩んだ斜面も,日が当たらなくなると硬いバーンになっていた。
滑降を開始してすぐにエッジがはずれ転倒。
尻餅をついた状態で50mほど滑落したが,傾斜が落ちたところで止まった。
この時点で危険に気付くべきであった。
ここから尾根へトラバースし岳樺の疎林に入った。
樹林帯に入って安心したこともあり,テレマークも調子が出てきて,結構飛ばしていたと思う。
そこで,またエッジが外れ,転倒。
後から考えると,プレートも入れていないビンディングなので,硬いバーンに横に突き出したビンディングが当たり,エッジが外れたのかもしれない。
尾根上は割りと傾斜がないが,硬いバーンにそのまま滑っていく。
尾根から滑り落ち,谷へ落ちていく。
滑って落ちながら近づいてくる大木に頭から激突するのは避けようと努力した。
結局左太ももから岳樺に激突し,回転して谷底で止まった。
100mほど滑落した。
しばらく傷みとショックで動けず。
高津くんが声をかけながら降りてきてくれた。
絶対どこか折れていると思ったが,恐る恐る起き上がってみる。
立ち上がることができほっとする。
左腿は腫れ,右すねも打ったらしく両足に力が入らない。
休み休み滑り,なんとかスキー場に着くことができた。
今回の事故はへたをすれば大怪我,死亡にも繋がるものであった。
調子に乗って,危険を客観的に自分のこととして認識できなかったのが恥ずかしい。
今日は足を引きずりながら仕事に出た。
命があることに感謝しながら・・・
2004.3.15記