―― 雪と虹のバラード ――
先日、うちの奥さんが外へ出ていたので、夕食の皿洗いをしながら、なんとなくテレビを見ていた。
NHKの歌番組で、北海道に関係する歌の特集のようであった。
そこで、懐かしいトワエモアが出てきて、札幌冬季オリンピックのテーマソングである「雪と虹のバラード」を歌い出した。
画面下には歌詞が表示されていた。
そして、その歌詞の最後が
♪君の名を呼ぶオリンピックと♪
となっていたのにびっくりした。
この歌を憶えているというと歳がばれるそうであるが(隠すつもりはない)、実は、私は今までずっと最後のフレーズは
♪君の名を呼ぶオリンピック塔〜♪
だとばかり思ってきたのであった。
この歌を聴くたびに、「オリンピック塔」なるエッフェル塔のようなイメージが、笠谷の日の丸飛行隊とともに、頭に浮かんだものであった。
こういう話はよく笑い話として聞かれるもので、珍しいことではない。
巨人の星の「思い込んだら試練の道を♪」を「重いコンダラ」と思っていた話など有名である。
スタンダードになっているほどである。
しばらくして、うちの奥さんが帰ってきたのでこの話をした。
私の話を聞いて、私が「オリンピック党」と勘違いしていたと思った彼女は
「君の名を呼ぶんなら、やっぱオリンピック党のほうが意味が通じるね。」
と言った。
私の頭の中にはなぜかアントニオ猪木の顔が浮かび、二度楽しめた。
よく考えてみると、「オリンピック」と呼ばれた君とは誰なのか?
謎は深まるばかりである。