◎基本的リードクライミング手順
○岩場に着いたら
・まずヘルメットを着ける。
・ハーネス,シューズ,ギア等を着ける。
・アンカーの設置(3ヶ所以上。最低2ヶ所。不安な場合は増やす。)
・ロープを結ぶ前にビレーアンカーの近くにロープを整理(トップ側が上になるように。汚れに気をつけて。)
・ロープをエイトノットでハーネスに結ぶ。
・パートナーどうしハーネス,ロープの装着をチェック。
・ビレイヤ―はメインロープでセルフビレーを取る。
○トップのリード
・ビレイヤーは確保(ハーネスからのボディービレー)できたことをコール「登ってよし」
・トップは,まず,アンカーに1本目のランニングを取ること。カラビナを2個使い両ロープをセット。
1個のカラビナに2本のロープセットは厳禁
その後,早めに2本目をとる。
・ダブルロープの場合,2本のロープを通す順番よりロープラインを左右に分ける意識でランニングをセット。
・ハングの前後,カム,ナッツをセットする場合は長めのシュリンゲを使う。
・ヌンチャクの逆クリップに注意する。
・ロープは跨がないよう努める。
・ビレイヤ―はロープの半分,あと10m,5m,その他必要に応じロープの残りをトップに知らせる。
○ビレ―ポイントに着いたら
・残置ハーケン,カム等でランニングまたは仮のセルフビレーをとる。
・まずアンカー(次のリードのビレーに使えるもの)をセットする(3ヶ所以上。最低2ヶ所。不安な場合は増やす。)
・セルフビレーを取る。「ビレー解除」のコール。
・ビレイヤ―はビレイを解除したら「ロープアップ」のコール。
・トップはロープを引き上げる(確保器をセットする前に)。
・全部引き上げられたらセカンドは「いっぱい」のコール。
○セカンドのビレー
・アンカーに確保器をセットし「登って来い」のコール(壁確保。ATCの場合はアンカー折り返しのボディービレー)。
・セカンドはこのコールで初めてセルフビレーを外す。
・セカンドはランニングを全て回収し,できるだけ整理しながら登る。
・ロープが張られていない場合「ロープアップ」のコール(何回でも)。
余ったロープを手で持ったり,引きずったりして登ってはいけない!
・ビレーポイントに着いたらアンカーシステムの一部(どこでもよい)にセルフビレーを取る。
ビレイヤーに「ビレー解除」のコール(口に出して言うことが大事)
○次のピッチの準備
・ビレイヤーはビレーを解除し,ボディービレーにセットしなおす。
・ギアの受け渡し整理(落下に注意。相手が確実に持ったのを確認してから手を離す!)
・ビレイヤーは確保(ハーネスからのボディービレー)できたことをコール「登ってよし」
(以下繰り返し)
◎懸垂下降
○セッティング
・必ず2ヶ所以上のピンでアンカーを作る。立木であれば直径10cm以上(地盤に注意)。作業の前に必ずセルフビレーを取ること。
回収の際,抵抗が大きくなるようなセットは避けること。
・アンカーにロープをセットし投げられるよう整理。1本ずつでもダブルでもよい。末端にエイトノット。
・ロープの連結はオーバーハンドノット&末端処理。
・必ず投げる前にアンカーにロープが通してあるか確認。
・「ロープダウン」のコール(ゲレンデ等下に人がいる可能性があるとき)
・投げる。末端の方を外側にして投げるとうまくいく。
・回収の際引く方のロープの確認。赤なら赤と毎回同じにしておくとよい。
○下降
・バックアップ(プルージック等)のセット
・下降器のセット(落とさないようセットの仕方を工夫する)
・システムに体重をかけテスト(不可能な場合はチェック)
・ここで初めてセルフビレー解除
・下降はルート判断,アンカー工作等できる者が先。
・ゆっくり,なめらかに下降(歩くように)。跳ばないこと。
・次のアンカーに着いたら,まずセルフビレーを取る。
・下降器,プルージックを外す。
斜めやオーバーハング下のアンカーにいる場合は,ロープの確保を考える。
・回収のとき引く方のロープを引いてテスト。流れが悪ければ上にいる者にセットの調整を指示。
・「完了」のコール。(セカンドはテスト引きがありロープから荷重が外れたら完了と判断してよい)
・セカンド以下の下降。アンカーに着いたら最初にセルフビレーを取る。(「完了」のコール)
○回収
・末端の結び目を解く。
・引く方のロープの末端をアンカーまたはハーネスに結んでおく(落とさないため)。
・ロープを引く。最後の方でロープが自重で流れ出したら滑らかに素早く引く。落石注意。
・次の下降のためのセッティング。各メンバー協力しボケーとしている者がないように。