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平成17年度第1回岐阜県勤労者山岳連盟救助隊訓練報告

期 日 平成17年2004.7.3

場 所 岐阜県七宗町納古山(のこやま) H632.9m

参加者 救助隊員 約20名

報 告 岐阜ケルン 石際

 

訓練概要              

7:00 道の駅「ロック・ガ−デンひちそう」集合

本部長,隊長の挨拶,予定説明の後,納古山登山口へ移動

      遭難者役の者は先に中級コースから入山

7:30 A班:中級コース B班:初級コース C班:塩の道〜中級コース

に分かれ捜索訓練開始

10:00ごろ中級コースH560mピーク付近で遭難者発見

現場では怪我の応急処置は行わず頂上広場へ移動

応急手当,搬出方法について訓練

12:30 遭難者1名をザック,ポール,マットを使用した背負い法により頂上から中級コースを経て

登山口まで搬出

14:30 登山口着 道の駅「ロック・ガ−デンひちそう」へ移動

15:00 本部長,隊長の講評,挨拶の後解散

 

訓練内容詳細

1.捜索訓練

(1)状況設定

  連盟に所属するある山岳会の会員Aさん(男性)の家族から昨日7月2日(土)午後に納古山

へ行くといって家を出たが,夜になっても帰宅しないため山岳会に連絡があった。計画書は未

提出。

  また,同会の会員Bさん(女性)の家族からも昨日山へ行くといって家を出たが帰宅しない旨の

連絡があった。行先は不明。

  同会の通常の集合場所に行ってみるとBさんの車が置いてあり,Aさんと同行した可能性が

高いと思われた。

  装備については計画書が提出されていないため情報はないが,Bさんが先日の岐阜県警山岳

救助隊長の講演を聴いており,その際,夏山捜索でのビーコンの有効性に感心していたので,ビ

ーコンを携行した可能性もある。

  木和谷(こわたに)の登山口を調査したところ,中級コースの登山口にAさんの車を発見した。

 

  Aさん,Bさん役の隊員は20分前に中級コースから入山,頂上付近の登山道から少し外れたと

ころで待機する。

 

(2)捜索方法

 木和谷から納古山への登山コースは中級コース,初級コース,塩の道〜中級コースの3コース

があり,山仕事のそま道も多いが,とりあえずメインルートの3コースを以下の分担で頂上まで

捜索することとした。実際は西面にもルートがあるが今回はないという設定で捜索訓練を行っ

た。

A班:中級コース B班:初級コース C班:初級コース〜塩の道〜中級コース

遭難対策本部は山岳会事務所等,現地本部は登山口に設置するのが実際であるが,今回は

訓練の運営上,C班に同行する本部長が担当することとした。

 

各班は無線で毎時00分,30分に本部と定時交信を行うとともに,必要に応じ本部に連絡を入れる。

周波数は144.12MHzとした。

各班に1台ビーコンを携行し捜索に利用する。

  他の登山者を考慮してコールでの捜索は控えた。また,登山口に遭難救助隊の訓練を実施し

ている旨の掲示を行った。

(3)発見までの捜索状況と留意点

 捜索開始後しばらくの間は,各班が谷の底にいるため無線の交信が難しかった。

 尾根上に出てからは感度良好となった。

ビーコンの機種によっては受信モードから一定の時間で送信モードに切り替わるものがある

ので注意が必要。また,臨界点での電波を受信するためには一定のリズムで左右にビーコン

を振りながら受信する必要がある。

中級コースH560mピーク手前でA班のビーコンが電波を捕捉。ビーコンによる捜索を開始し

たが,先行した隊員によって脇道を30mほど入ったところの岩場上に遭難者が発見された。

(4)発見現場での措置

 ・遭難者の確認

  Aさんは意識がない状態。Bさんにより2人の氏名を確認しAさん,Bさんであることを確認

  また,他には同行者がいないことを確認

 ・身体状況等の確認

  Aさんは,観察の結果,頭部と左足にから出血があり,意識がない。呼吸,脈拍は確認できた。

Bさんは右足の痛みを訴えているが,比較的元気である。

 ・本部へ発見現場の位置と上記の状況について無線により連絡。

 

捜索訓練はここまでとし,現場に各班集合の後,頂上広場へ移動する。

 

2.応急措置訓練

    発見されたAさん,Bさんの応急措置について以下の事項を本部長が実施,説明した。

  Aさん

・意識がない場合の回復体位(横向き,気道確保)

  ・三角巾を使用した頭部の怪我の処置(たたみ三角巾,円座)

  ・三角巾を使用した左脚の怪我の処置(木など異物が刺さっているときは抜かない)

  ・熱中症の処置(そけい部,わきの下,首などを濡れタオル等で冷やす,冷たい飲み物)

  Bさん

  ・右足骨折の固定(ストック,テントマット,三角巾使用)

  ・初期の低体温症の処置(保温,湯たんぽ,ツエルトでくるむ,暖かい飲み物)

 

3.搬出訓練

(1)スケッド・ストレッチャー

 Aさんをストレッチャーで梱包?し,地面を引きずってみる。搬出者は比較的楽。振動多し。

 また,ヘリで搬出する場合のベルトのセット等を実施。

(2)ザイル担架

 広い道,大人数であれば短時間で容易に実施できる。テントマットがなければザック等を敷く。

 遭難者も比較的快適。搬出者は肩紐を使用すると楽。

(3)ストック担架

 ・ストック,雨具,三角巾を使用した簡易担架。強度的にやや不安

 ・ストック,三角巾,テーピングテープを使用した簡易担架。同上。

(4)ザック,ストック,テントマットを使用した背負い法

 テントマットで包んだストックをザックの背負い紐に差し渡し被搬出者の尻,腿の支えにする方法

比較的大きいザックが必要。ストック,マットがなければ,立木,衣類等で代用できる。

 この方法で実際に納古山頂上から中級コースを使い搬出。

・下りは後ろから補助ロープで補助,登りは前から補助ロープで補助する。

・搬出者はストックを使用。

・「天空岩」等の岩場は立木を支点とした器具による確保でテンションをかけながら下降

 被搬出者もメインロープからプルージック等で確保をする。

・搬出者の交代の際は,立ったままの状態で両脇からストックごと被搬出者を支え交代する

・補助することにより女性が背負うことも可能。

女性隊員のがんばりには感心したが,労働基準法上も女性の重量物取扱い制限は30kgと

なっており,本当に必要になった場合以外は無理は禁物。体験程度にとどめたほうがよい。

・頂上から登山口の標高差400m強を約2時間で搬出

 

 登山口に到着したころから降り始め,道の駅へ移動し,講評の後,解散時には本降りとなる。

 温泉に寄り訓練の汗と疲れを流して帰った隊員もいた。

                                                    以上

 

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