春のチンネ中央チムニー
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5月2日から5日まで剣岳へ行ってきました。
当初は剣尾根のR4を登る予定だったのですが,取り付きから見上げるR4 にはベルグラ程度の氷しかなく,予定を変更しチンネの中央チムニーを登りました。
5月3日はチンネ貸切で静かなクライミングを楽しみました。氷と岩のミックスでなかなかの好ルートでした。

<日程>  2003年5月2日(金)〜4日(土)晴
<メンバー>石際淳、加藤毅
<行動>
1日目
馬場島6:50 池ノ谷ゴルジュ入口8:30 二股11:05 R4取付13:15 三ノ窓14:35
2日目
三ノ窓7:00 中央チムニー取付7:30 終了11:15 三ノ窓12:15
3日目
三ノ窓5:00 剣岳6:10 早月小屋7:55 馬場島10:20

<装備>
 アイスハーケン2〜3本、ロックハーケン各種6枚、カム少々

<記録>
(1日目)
剣尾根を登る春日井パーティーと前後して白萩川を歩く。
堰堤上で雪渓が割れ,左岸を少しへつり雪渓に這い上がる。
池ノ谷ゴルジュは土砂混じりのすごいデブリで埋め尽くされ歩きやすい。
亀裂もなく当分通過できそうである。


落石に注意しながらゴルジュを抜けると,谷は開け,すばらしい斜面が眼前に広がる。
スキーでも来てみたいところだ。

正面が三ノ窓

時折音もなく転がってくる落石に注意しながら快調に登り,R4の取付きに着く。
予想はしていたが,やはりR4には登れる氷がなく,ルートの偵察をじっくりしてから三ノ窓に上がる。

まだ2時半。三ノ窓には誰もいない。
ジャンダルムを右に回りこんだ池ノ谷ガリー側の日当たりのよい雪のテラスを整地し,富山の景色を眺めながらバーボンを飲む。
明日はチンネ中央チムニーを登ろう。

ビバーク地の朝

(2日目)
ビバーク地からガチャを着け出発。
午前中はチンネに日が当たりベルグラの着いた壁が美しい。

右上するチムニーが中央チムニー


時折氷が崩壊して落ちてくる。
ルンゼ状の雪壁を登り,チムニーの下に着く。

1ピッチ目 30m
加藤リード。氷雪壁を少し登りチムニー入口。チムニー右壁はベルグラが張っているが ダブルアックスできるほど厚くないので,右のカンテを氷を落としながら岩登り。


2ピッチ目 50m
石際。チムニー左壁がかぶってくるので右に回りこみ,上部チムニーへ入る。


ここはベルグラが比較的厚く,チムニ―内にRハーケンを打ちながらダブルアックス。
傾斜の緩いルンゼを登り中央バンドへ。
3ピッチ目 50m
加藤。ほとんど歩きで右のピナクルのコルへ。
4ピッチ目 30m
石際。氷のついたバンドを右上。2級のピッチだがバランスが悪い。

4ピッチ目終了点からピナクルを振り返る

5ピッチ目 50m
加藤。左にトラバースして氷のついたルンゼ状に入るが,最初の数メートルが非常に微妙。
上部は雪,氷を落としながらの気分の出るミックスでチンネの頭に出る。

下降は裏のコルから池ノ谷ガリーへ下降する。アップの支点がある下のルンゼ状を下れば,クライムダウンできる。

お昼前に終わってしまったので,雪のテラスでまたバーボンを…
日向ぼっこしていたら真っ黒になってしまった。

テラスで日光浴するムッシュー・カトー

(3日目)
早起きし,カチカチになった池ノ谷ガリーを一気に登り,剣のピークを踏み,早月尾根を下降する。

前方が剣のピーク

小屋のご主人に昨日小窓尾根で落石事故があったことを聞く。
ここからはグリセードをして遊びながら馬場島へ下った。