丹生川荒城川右俣「天の滝」アイスクライミング
HOME |
|
---|---|
2003.2.15 石際 淳 加藤 毅 1999年9月沢登り(遡行図) をしていて、この沢の両岸のすばらしいスラブと滑滝に感激した。 特に滝場の最後、左岸に天から落ちてくるようなスラブ状の100m滝は非常に印象に残り、「天の滝」と勝手に名づけてしまった。 最近、アイスクライミングを再開して、この滝が凍るのではないかとふと思いつくと、私の頭の中ではイメージがどんどん膨らみ、すごい氷瀑となり、凍ったこの滝を登ってみたい。だめなら見るだけでもいいということで、長いアプローチにも付き合ってくれそうな加藤さんを誘って計画を立てた。 折敷地から歩くことを覚悟して行ったが、幸いにも五味原まで除雪されており、1時間のアプローチ短縮となった。 林道にはハンターのものと思われるスノーモービルのトレースがある。 ![]() スキーを履いているのでトレースを外れてもほとんどラッセルはない。スノーハイクの気分でのんびり歩き3時間弱で右俣の林道終点まで来た。 ところがこの左岸にまず凍っていると予想したダルマ滝がほとんど凍っておらず、水が流れている。 おまけに沢床にも氷らしきものは見当たらず、やはり標高が低く(1000m前後)雪が多い地域なので滝は凍らないのかという結論に達し、帰ろうかと一度は考えた。 けれども、上部がどの様な状況になっているのか、この目で確かめなければ後で後悔すると思い直し、堰堤を巻いて滑の滝場に入って行った。 美しい滑には水が流れているが、水量が少ないのでプラブーツで歩ける。 両岸も開けているので、滝場も締まった雪上を歩いて越えられるし、なんか楽しくなってきた。 ![]() 「ここででかい熊に出会ったんや。」などと話しながら谷を詰めていく。左右の急なスラブからは大きなデブリが出ている。 しばらく行くと左岸に30mほどの傾斜のゆるい氷瀑があり、登れそうであったが上部を確認したいので後回しにする。 右岸は南面のためすべてのスラブの氷が落ちてしまっていた。 夏ならば100m以上の滑床の最後に30mの滑滝があるところを抜けると右手に「天の滝」が現れた。 最初は、私の頭の中で膨張しきったイメージとのギャップに、これは違う滝かと思った。 下部は雪に埋まり、上部は所々下地のスラブを透けて見せながら60°〜80°の氷が30mほど露出している。 中間部は氷が落ちスラブに水が流れている。 これは登れると思った。 ![]() 雪の斜面を氷の下まで登り、スラブは左からよけて、氷に入ることにする。 付き合ってくれたお礼に初登は加藤さんに譲る。 中間部で氷が薄く慎重に行く必要はあったが、安定した登りで左寄りにルートを取り、落ち口に着いた。 大きな木がありそこでビレーできる。 私はいまだにシモンのセミチューブを使っているのだが、こういう薄い氷には使い辛かった。 滝を抜けると上部は平坦になり滝はないので、右岸を懸垂(50mシングルロープ)してもう一回登ることにする。 こんどは私の番。右よりの傾斜の強い部分を繋げて登る。 落ち口手前は80°ほどあり結構登り応えがあった。 ![]() 取り付へ戻り、今登った滝を眺める。 夏見たとき、天まで届くようなスラブの上から霧のような飛沫を落としていた光景を思い出す。 あの美しい滝をアイスクライミングだから登れたと思うと、この登攀が私にとって非常に価値のあるものに思えてきた。 帰りはクラストした林道を、引っかかるモービルのトレースを呪いながら滑り、月明かりに照らされながら車にたどり着いた。 タイム 五味原8:10 林道終点11:00 天の滝12:00〜16:00 林道終点16:30 五味原18:00 使用ギア(参考) ロープ50mシングル、アイスハーケン7本 もう少し冷え込み雪が少ない時期に行けば他にも登れそうな滝がいくつか見られた。 |