北ノ俣岳(1day)
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1997.3.23
メンバー 森田,石際

この年のスキーシーズンは最悪のパターンで始まった。

飛騨高山スキー場が営業を開始して間もない12月中旬,まとまった降雪があり,昼休みに喜んで新雪を滑っていたら,まだ根雪になっていなかった急斜面で,新雪に隠れていた岩に足をとられ転倒。おまけに古い山スキーのビンディングとふにゃふにゃの兼用靴のため,うまく解放せず左足首を捻挫し,翌年の2月までスキーができなかったのである。

乗鞍青年の家勤務2年目で,今シーズンはスキー技能テスト1級に挑戦しようと思っていただけに,この2ヶ月は文字どおり痛かった。2月に入り我慢が出来ず,無理をしてゲレンデに出たので,変な癖がついてしまい,それを直すのにまた苦労した。
結局そのシーズンは2級どまり。1級は3年目でやっと取得することができた。

このようにシーズン前半はぱっとしなかったけれど,シーズン後半は,念願のオートルートへ行けることになり,ガイドレスということもあり,気合を入れて森田とトレーニングに励んだ。今回の北ノ俣日帰りもその一環として計画した。

有峰へ抜ける大規模林道が除雪される4月下旬であれば,標高差の小さいトンネルからのコースもメリットがあるが,早い時期であれば林道の登下降はつまらないし,時間的にも水の平経由の旧登山道コースの方が有利だと思う。また林間の滑降も腕だめしになるというものである。

打保に未明に着き,車を畦道脇に駐車し出発。登山口まで林道をシールで歩く。登山口からは沢どおしに登るが,ルートは分かりにくい。カラマツ林を登り,打保乗越から少し下ると水の平に着く。

1842mピークを過ぎると,緩いアップダウンが連続する。シラビソ等針葉樹の原生林が美しい。寺地山あたりでお昼近くなり,気温が上がり雪が腐って雪崩に注意して登る。

避難小屋のあるコルでちょうど12時。ここからは最初新雪,上部はクラストした広大な斜面をひたすら登り2時間ほどで北ノ俣に着いた。

少し休憩しすぐ滑降に移る。出だしはシュカブラ,ウインドクラストで難しい。慎重にしばらく滑降すると,雪質が変わり,快適な新雪となる。一気にコルまで滑り込む。

ここから,寺地山を過ぎ1842mピークまではシールを着けて戻る。
1842mピークからの滑降は、日も傾き,気温が下がってきたので,腐れ雪がモナカとなり,非常に難しい。
水の平から打保乗越へ上がり,夕暮れ迫るカラマツ林を滑降する。雪が硬くなり、モナカよりはましである。
登山口が近くなると谷の水が出始め側面を滑り,林道に出る。

林道をヘッドランプを点けて滑り打保に着く。総登高高度1960m。

打保6:00 登山口7:20 水の平9:00 寺地山11:26 北ノ俣岳14:14〜30 寺地山15:50 水の平17:18 打保19:05