上大須ダム〜左門岳
HOME

先週の位山で,新雪でのテレマークが使い物になることがわかったので,以前から気になっていた,奥美濃左門岳1223mに行ってきました。

この山は奥美濃にあっても地味な存在ですが,あの川浦渓谷銚子洞の源流の山といえば,ピンと来る方がいるかもしれません。
板取側はブナや天然檜の原生林で,すばらしい山です。一方,根尾村側は伐採が進んでいます。
以前,沢登りでこの山を登った時,大きめの木をある程度残して伐採してあるのを見て,雪が着いたらすばらしい斜面になるなと思いました。
岐阜市内でも20cmの積雪があり,これはチャンスと急遽計画を立てました。

【山域】奥美濃
【日時】2003年2月1日(土)
【コース】上大須ダム〜左門岳
【メンバー】石際、加藤、山口
【装備】k2エキストリームX(ゲレ板)184cm,スカルパT3(石際)、ブラックダイアモンド167cm 革2バックル(山口)、山スキー(加藤)
【天気】曇り

根尾東谷川の最奥,上大須ダムの少し上流まで除雪が終わっており,車を置いて,ダムの外周道路をスキーで歩く。
1時間で西河内谷出合。そのまま林道を詰める。



林道終点からいきなり渡渉。このあと2回の渡渉があり時間を食う。最後の徒渉で加藤がはまり,ブーツを濡らしてしまった。
敗退気分が漂ったが,靴下を絞って,様子を見ながら登ってみることにする。

奥の二俣を右に取り,まだ谷が雪で埋まっていないので,左岸の植林帯をからみながら,谷を詰める。
しばらく登ると植林が終わり,疎林の快適な斜面となる。ここまで2時間半。
右岸の尾根に取り付き,涎の出そうな新雪斜面を,滑降を楽しみにラッセルしていく。



ここで,おかしなことに気が付いた。残してある潅木の根元の樹皮が鉢巻状に剥いである。
森林組合勤務の山口が,これは立ち枯らしと言って木を切る手間を省いているのだと言う。気を付けて見ると植林された苗が頭を出している。

残念なことに,この山の根尾村側は一面の植林になろうとしているのだ。あと10年も経たないうちに,快適な斜面は杉林になってしまう,不謹慎な言い方をすれば,今が旬の山スキー向けの山である。

尾根上に出ると,緩やかな斜面となる。左手には屏風山の美しい姿が。 主稜線に出て少し下り,根尾側をトラバースぎみに左門岳に向かう。出発し てから5時間でなだらかな左門のピークに着く。
川浦谷の源流側を滑ることも考えていたが,やはり,この山域ではブッシュが隠れるほどの積雪はなく,滑降は諦めた。

下降は,登って来た尾根のジャンクションまでアップダウンがあるのでシールを付けたまま滑る。 根尾側の斜面はどこでも滑れそうな感じで,時間があれば1本滑りたいところである。
今回は時間にあまり余裕がなかったので,往路を戻る。



最初,新雪が適度に積もったなだらかな尾根を気持ちよく滑る。さすが山口師匠の滑りは美しい。



加藤も新調のスキーでかっ飛ばしていく。
私もゆっくりとしたテレマークで気持ちよく滑ることができた。写真で見ると、なんかかっこ悪いですね。



尾根の途中から左の斜面に滑り込む。こちらは傾斜があり,積雪も股下まで あり,3人ともそれぞれ深雪を楽しみ、あっというまに谷底に着いてしまった。

左岸に移り,斜滑降でどんどん下り,3回の徒渉もスムーズにこなし,林道に出た。ダムまで滑ると,平坦になるので,シールを付けずに歩き車に戻った。

岐阜市内から1時間半で新雪が楽しめる掘り出し物の山でした。
しかし,植林が大きくなると,つまらない山になってしまうでしょう。

車止め8:30 西河内谷出合9:30 植林終わり11:00 左門岳13:30〜13:50 ジャンクション14:20 林道終点15:20 車止め16:30