杓子岳双子尾根〜白馬大雪渓滑降

1993.4.17〜18  石際 淳  熊谷良太 水野

 

1日目(晴れ時々曇り)

 お昼に二股を出発。除雪された林道を歩く。除雪は猿倉手前まで。今回はスキーを持ってきたのは石際のみで、熊谷と新人雪山初挑戦の水野は双子尾根ピストンの予定である。水野は演劇青年で、何を思ったか冬山がやりたいと春日井に入会したばかり。どれだけ歩けるのかも分からない。熊谷の太っ腹に感心する。

 定石どおり水野はバテた。今日は小日向のコルまで。ここをベースキャンプとする。酒を1升上げ、キムチ鍋で盛り上がる。夜半から風強し。

 

二股12:00 猿倉 小日向のコル17:00

 

2日目(ガスのち晴れ&強風)

 双子尾根はずっと美しい雪稜が頂上まで続く気分がいいルート。ガスの中、2人の後からスキーを引っ張って付いていく。ナイフリッジの上ではスキーが思い掛けない方向に流れたりするとバランスを崩しそうで何回かひやっとする。第1の岩場は右の雪壁から巻ける。上部は急な雪壁となりロープで確保が必要である。

 

 頂上直下でガスが晴れ、すごい強風となる。頂上で同ルート下降の熊谷・水野組と別れる。引っ張っているスキーが凧のようにバタバタなびく。四つん這いで杓子岳から少し降り、雪庇のないところを探し、アイゼン、ピッケルで慎重にクライムダウンする。少し降りると滑降できそうな斜面となるが、風で吹き飛ばされそうでスキーを着ける余裕がない。結局標高差300mも下降し、北稜の末端あたりで苦労してスキーを着ける。

 斜面はブレイカブルクラストで、うまくターンできず、だましだまし大雪渓の中間部まで滑るとザラメとなり、気分良くターンしてスキー装着から20分ほどで白馬尻に着いてしまった。

 

 猿倉まで降りてみると、熊谷パーティーはまだ着いていなかった(まあ、いる訳ないでしょう)ので、ヘッドランプのみ持って小日向のコルに向かう。かなり疲れていたので、休み休み登るが、2人が降りてこないので、結局コルに着いてしまった。ちょうど2人が降りてきたところであった。

 

 水野がさすがにバテたので、彼のザックを預り先に滑降する。雪は腐っているが快適に小回りが決まる。夕闇の迫るなか時間を節約するため二股へ向かう。林道歩き1時間は疲れた。車を除雪地点までまわし、すこし待つと2人が降りてきた。

 駒ヶ根SAで食った豚汁定食がうまかった。

 水野はこの山行で懲りたのか、その後一緒に山に行くことはなかった。

 

小日向のコル7:00 双子尾根 杓子岳14:00? 猿倉15:30 小日向のコル18:00 猿倉18:20 二股19:30

 

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