錫杖岳烏帽子岩前衛フェース1ルンゼ
2001.10.14
石際 淳,加藤 毅,前田隆成
次の週に屏風へ行く計画であったので,人工登攀をするのがはじめてというメンバー2人と,1ピッチだけ人工の入る1ルンゼを目指した。
5:30槍見発。まだ薄暗い。通いなれた登山道をゆっくり歩き,錫杖沢の岩小屋へ。
春日井山岳会の故富士居,松熊両氏のレリーフに水をかけ安全を祈願し取付きへ向かう。
昨日雨が降ったらしくルンゼは湿り気味。8:00 1ルンゼ取付き。人工ピッチ下まで加藤さんにリードしてもらうことにする。
F1はチョンボバンドからエスケープできるが,この2ピッチを省略したらこのルートの面白さは半減する。2ピッチめのクラックが結構しぶい。
どこでも登れそうなフェース3ピッチでドーム状に見える人工ピッチ下へ。
ここでリードを石際に交代。このピッチはハーケン連打の人工で,久々の人工登攀ではアブミに乗るのが気持ち悪かった。
ハング出口からクラックをフリーで行く。上部はスラブからチムニーを登り横断バンドへ出る。
そのままルンゼをつめ気持ちのいい頭に出て終了14:30。槍,穂高のパノラマがすばらしい。
やっぱりアルパインは上に抜けないと登った気がしない。踏み後をたどり烏帽子岩西肩からクリヤ谷へ下った。
おまけ(失敗した話)
1988.9.4
単独
朝5時ごろ出発するつもりが,寝坊してしまい,槍見を5:35発。
天気は高曇りで心配なさそうである。今回は単独ということで,いつもなら2人で担ぐロープやガチャを1人で担ぐとかなり重い。
それでもまあまあのペースで1ルンゼ取付きに7:00着。登攀具を着けて7:20登り出す。
1ピッチ目,やはりまだシステム(シャント使用)に慣れておらず,ロープが引っかかったりしてかなり時間をくう。
40mロープいっぱいでボルト1本ハーケン2本のビレーポイントに着く。ここで重大なミスをおかしてしまった。セルフビレーを取ろうとしていると,シャントに通してあったロープが自重で滑り出し(最初は末端に結び目を作っておいたのだが,これがよく岩に挟まったため,解いてしまった),あれよあれよと思うまもなく,すっぽ抜け落ちて行ってしまったのである。
一瞬,顔面蒼白。ビレーポイントにロープなしで取り残されてしまったのである。幸いその下は2〜3級の易しいところなので,20mほどクライムダウンするとテラスに引っかかって止まっていてくれてホッとした。その後は,5mごとにガイド結びでハーネスに繋いで登った。
2ピッチ目からは調子が出てスムーズにロープを延ばす。ハングの人工はハーケンが古く,少し怖かった。横断バンド上のチムニーを抜け11:20終了。烏帽子岩の岩小屋まで歩き,ビールで乾杯した。
単独の場合いつもそうなのだが,休憩を取らなかったり,取っても短かったりして,どうも予定より早くなってしまうようだ。