3月,錫杖岳,氷のルンゼの単独登攀(1985.9クライミング ジャーナル掲載)

 

 北アルプス錫杖岳烏帽子岩前衛フェース3ルンゼ

1985.3.10

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8時45分登攀開始。F3までは硬い雪壁で,F1とF2は見えなかった。F3は下部が岩で,その上はベルグラをダブルアックス。このピッチだけザイルを出す。カラビナ結びで登り返したので疲れた。このころから雪が降り始め,チリ雪崩が頻繁に起こりだす。F4の穴くぐりの中は氷がびっしりついていてアックスがよく効き,ノーザイルで抜けた。調子が出てきたのでF5,F6も,上部に2メートルくらい出ている傾斜80度くらいの氷をシャッカルとカドタの65センチピッケルにぶら下がりながらなんとかノーザイルで抜け,あとはゆるやかになった雪壁を息を切らせて登りきった。終了11時45分。
無雪期には階段状の3ルンゼも3月ともなると上から下まで急なスベリ台のようになり,チリ雪崩がサーッと流れてきたりするとヒヤッと緊張することがあった。
下降は裏のルンゼへ懸垂下降したが,降雪のため大きなやつがドーンドーンと出ていた。途中2回ほどザイルにしがみついてやり過ごした。3回まっすぐ懸垂下降して終了。

 

帰りに高山の「豆天狗」で食べた中華そばはうまかった。おばちゃんがゆで卵をおまけでいれてくれた。

 

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