―― 北ノ俣岳から双六岳,左俣谷滑降 ――
1996.5.2〜4
小林,川地,石際
5月2日 曇りのち夕方から雨
山之村の和佐府橋に車を止め,大規模林道を歩きだす。
1050mぐらいから雪があり,シールで歩く。
トンネルの横から尾根上1550mに上がると,アップダウンはあるが,快適な尾根歩きとなる。
川地の調子があまりよくなく,スピードが上がらない。
寺地山を通過するのが,2時をまわってしまい,北ノ俣までは無理そうなので,2050m付近の森林限界でテントを張って寝る。
(非難小屋に入りたかったが,雨が降り出し視界が悪いため,見つけられなかった。)
和佐府橋7:00 トンネル上10:00 寺地山14:20 森林限界15:45
5月3日 晴れ
森林限界から上は広大な斜面が広がる。
2450m付近から尾根が細くなり急になる。
北ノ俣から赤木平を見ると素晴らしい斜面なので,石際は赤木平に寄り道することにする。小林,川地は稜線を黒部五郎に向かう。
赤木平まで大斜面を気持ちよく滑り,ここからシールで斜めに登り中俣乗越に上がる。
黒部五郎の直下は急斜面のうえクラストしていてシール登行が難しかった。
小林と川地を待つ間に,ウマ沢に滑り込んでみる。
上部はアイスバーンであったが,下部はザラメのすばらしい斜面でどこまでも滑りたい気持ちを抑え2400mあたりまでで登り返す。
(石際はこのとき乗鞍青年の家(標高1510m)勤務でちょっとした高地トレーニングをしていたので,体が非常に軽く動いた。)
小林も途中まで滑ってくる。黒部五郎で集合し,川地は稜線から五郎小屋へ向かうことにし,石際と小林はカールへ滑り込むことにする。
頂上直下は壁になっているので北東ピークの肩から滑り込む。100mほどが40度を超す急斜面であったが雪が緩んでいたので思い切ってジャンプターンできた。
カールに降りてから適当に斜めに滑り,五郎小屋に着く。二階の入口から入ると貸切であった。
日向ぼっこしながら,のんびり川地を待つが,なかなか稜線に現れないので心配する。
2時間後,川地到着。シートラーゲン中にストックを片方落としてなくしたらしい。
それでここまでツボ足で歩いてきたのであった。
森林限界7:20 北ノ俣岳10:15 赤木平10:40 黒部五郎岳14:40 ウマ沢滑降 黒部五郎岳15:10 五郎小屋16:00
5月4日 曇り
小屋からスキーを引きずって出発。川地は双六小屋までツボ足で歩き,小屋でいらないストックを借りることにする(別行動)。
三俣蓮華を経て,双六岳に着くと,飛騨山岳会の島田先生がガイドの最中で,少し話して,双六谷へ下降する。
斜面は変にクラスト気味で滑りにくい。
双六本谷に降り立ったところで,春日井の他パーティーと合流する小林と別れ,シールで弓折岳の稜線まで上がる。
2580mのコルから左俣谷へスタート。100mぐらいが45度ほどの急斜面であるがそれほど緊張感はない。
下部は雪も緩み快適な斜面である。
樅沢岳から合流する谷からすごいデブリが押し出されていて,下流の水鉛谷出合まで谷が埋まっていた。
おかげで渡渉なし!1635mの橋に出て林道を1320mぐらいまで滑り,少し歩いて新穂高に着いた。
五郎小屋6:00 三俣蓮華7:45 双六岳9:10 双六谷9:35 2580mコル10:20〜40 1635m橋11:25 新穂高13:10
(後日談)
川地は結局ストックが調達できず,山行を通して1回も滑ることができなかった。
これに懲りたのか彼はその後山スキーに行かなかった。
数年後,登山用のストックを1本譲るという条件付きで彼を能郷白山の山スキーに誘い出した。
この山行でも悪雪と長い林道歩きに泣かされた彼は,完全に山スキーを止めてしまった。
2本そろったストックはハイキングに活用しているのかしら。