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錫杖岳前衛フェース北東壁「グラスホッパー」
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20年前,3月に単独で3ルンゼを登り,裏のルンゼを下降したときに いい氷があるなぁと目をつけていたのですが,実際に取り付くのがこんなに年月が 過ぎてからになるとは思っていませんでした。今回,よいパートナーに恵まれ,5ピッチの氷雪壁登攀ですっきり登ることができ, 長年の宿題(大げさですね)を片づけることができました。

最近のクライミング技術からすれば大したことはないと思いますが,チャンスと判断が意味を持つ アルパインアイスルートです。あえて比べるなら,3ルンゼよりちょっと難しく,面白いといったところでしょうか。
ルート名は「グラスホッパー」としました。

12日にも登りに来たのですが,強い冬型になり降雪があったので,クリヤの岩小屋で酒を飲んだだけで下山しました。 このラインは上部に雪田があり,降雪中,降雪後はかなり大きな雪崩が出るからです。

今回の登攀前日にクリヤの岩小屋でお隣になったパーティーが21日(20日夜から強い冬型になった)に 3ルンゼ付近で雪崩に流され怪我をされたようです。ルンゼ登攀は,チャンスを掴むことが成否の大きな部分を占めるものです。 臆病なほど慎重でちょうどよいのだと思いました。

<日程>   2005年3月20日(日)曇り時々晴れ

<メンバー> 石際淳,加藤毅(岐阜ケルン山岳会)

<行動>   クリヤ岩小屋6:00 取り付き7:00 登攀開始7:30 終了12:00

<装備>   アイスハーケン8本

<記録>    ルート図

P4フェースを左手に見ながら気持ちのよいブナ林の斜面を登る。



ルンゼ取り付き付近は雪が締まっておらず腰までのラッセルになる。



1ピッチ目 45m
取り付きの大岩はベルグラを登り,快適な氷雪壁登攀でルンゼの屈曲点まで登る。



潅木でピッチを切る。

2ピッチ目 50m
引き続き快適な氷雪壁登攀で中間の緩傾斜帯へ。



ここまでは,3ルンゼの下降路経由でクリヤ谷から歩いて来れる。
エスケープも可能。3ルンゼから継続もできる。

3ピッチ目 35m
正面の左ルンゼの氷瀑手前からベルグラの着いた左のスラブに取り付く。
氷の厚さが3センチほどしかなく支点が取れない。
少しランナウトして,左のカンテ状の厚そうな所まで慎重に登りタイオフしながら ツララ下まで登る。



凍った潅木を苦労して掘り起こしピッチを切る。
ハンギングビレー。



潅木が使用できない場合は切らずにツララを登ってしまったほうがいいかもしれない。

4ピッチ目 25m
ツララを右手から登る。氷質が悪くしっかりしたランニングが取れないうえ,高度感 が最高なので,ビレーするほうも緊張した。
加藤は粘り強くリードし,上部の傾斜が 少し落ちる所まで登りほっとする。安定した雪のテラスでピッチを切る。

5ピッチ目 25m
最後の硬い青氷の真ん中を登る。



しっかりスクリューが決まり快適に登り,上部雪田に出てすっきりと終了。

下降は,同ルートを懸垂するか,烏帽子岩西肩経由で裏の沢へ歩いて降りる。